同じみかんと言えど

久々の更新は、みかんの写真から。毎週金曜日に近所に立つ市場で買ったみかんです。種類はクレメンティン(Clementine)。みずみずしくて甘くて、子どもたちにも大好評。あっという間に無くなったので、スーパーで同じ種類のミカンを購入しました。ところがこちら、食べてみたら、種の多いこと多いこと・・・。子どもらはすぐに見向きもしなくなり、今はもっぱら私が消費に励んでおります。


それにしても、その種の多さと言ったら。みなさま、ドイツで市場に並ぶみかんの種類をご存知ですか?多くはこのクレメンティンとマンダリン(Mandarine)です。この二つ、わずかな色の違いの他、皮の厚さや甘さなど、特徴の違いがいくつかあります。一般的にクレメンティンの方が皮が厚く、その分長持ちし、より甘いと言われています。マンダリンは色が濃く、皮が薄く、剥きやすいのが特徴です。


それよりも何よりも、私にとって一番大事なのが、種があるか、そしてそれが多いか、少ないか、ということ。子どもたちが食べてくれるかどうかが、それにかかっているからです。通常、クレメンティンの方が種が少ないと言われています。しかし、冒頭に書いた通り、先日買ったクレメンティンには種がたくさん入っています。クレメンティンの中にもいろいろな種類があるのか、ただハズレくじを引いてしまっただけなのか。そこそこおいしいので、まぁ良しとしましょう。


そう言えば、サツマ(Satsuma)という種類もありますね。こちらは日本で言う「温州みかん」です。特徴はマンダリンに似ていながら、種はほとんどありません。マンダリンやクレメンティンよりも早く市場に出回るようなのですが、あまり見る機会が無いのが残念です。


種と同じく子どもたちに嫌われるのが、皮の内側の白い層や身についている筋です。確かに、これがついていると歯ごたえが悪くなり、房の袋が口の中に残ります。


実は、この白い層や筋も栄養豊富。この部分には、フラボノイド系ポリフェノールのヘスペリジンが多く含まれています。ヘスペリジンには、抗菌、抗ウィルス、抗炎症、アンチエイジング作用などがあります。きちんと噛み、飲み込むことができる年齢からは、あまり嫌わずに食べて欲しいものです。


みかんの身が栄養豊富なのは、言うまでもありません。体の免疫力を高めるビタミンCを多く含みます。みかんの黄色の色素成分、β-クリプトキサンチンは強い抗酸化作用を持ち、生活習慣病や老化による視力の低下の予防に効果があると言われています。同じく抗酸化作用のあるβ-カロテンも豊富です。


手軽に食べられて、栄養満点。いいことずくめのみかんですが、市場に出回るのは秋冬だけの期間限定。春が来るまで、存分に楽しみたいものです。


「期間限定」で思い出しました。我が家は年末年始を日本で過ごしたのですが、今年もまた、冬のいちごを堪能しました。ドイツのいちご事情について書いた過去の記事がありますので、読んでみて下さいね。

ワタナベブログ

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