イースターの卵、あの色の秘密

1イベント去って、また1イベント・・・2月のカーニバルが終わったと思ったら、今度はイースターです。お店には(一部カーニバルより早い時期から)、ウサギやヒツジの形をしたチョコレートや、カラフルに色付けされた卵が並んでいます。


イースター(復活祭)は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが復活したことを祝うお祭りです。イースターを象徴する食物はいろいろありますが、卵もその一つ。卵の中では、これから生まれる新しい命が力強く育っていることから、イエス・キリストの復活に例えられていると言われています。


さて、写真の色付き卵。固ゆでした卵に色が塗ってあるもので、今日スーパーで見つけました。・・・・何と言うか、なかなかエキセントリックな色合いです。この下の段には、緑や紫、黄色など、一色に色付けされた卵も売られていました。この時期このような卵は、スーパーだけでなく、パン屋などでも見かけます。


しかしこれらの卵、いくら固ゆでだといっても、長期間室温に置きっぱなしで大丈夫なのでしょうか?


実は、塗ってある色にその秘密があります。工場で塗られるこの色に、卵を菌から守る効果があるため、室温でも長期間の保存が可能になるのです。*1 


お家で自分で卵に色付けするのも楽しいものです。この季節、専用の着色料がスーパーやドラッグストアで手に入ります。市場で売られている着色料は、食品に使うことを許可されているものです。ただ、色が殻から白身に浸透することもよくありますので、それを口に入れることを考えると、オーガニックスーパーなどで買える植物由来のものが安心かもしれません。


自分でゆでた卵に色付けをする場合ですが、工場で色付けしたものとは違い、常温では日持ちしません。卵は沸騰後10分強、しっかりゆでて下さい。その後、水につけずに冷まします。水につけると、卵の殻にある小さな穴(気孔)から水が入り、それと共に菌が浸入する可能性があります。卵をゆでる前に小さな穴を開けると皮が剥きやすくなるといいますが、これも同じ理由から避けて下さい。卵にヒビが入っていないかも、色を付ける前に確認して下さいね。いずれも、ゆでた卵をすぐに食べる分には問題ありませんが、保存には向きません。せっかくきれいに色を付けたのに、すぐに食べなくてはならないのは残念です。また、見て楽しむ時以外は、冷蔵庫で保存して下さい。


ちなみに、卵を買ってふたを開けると時々見かける、汚れのついた卵。思わず水道水で洗いたくなりますね。しかし、卵の表面を水で洗うことは衛生面から見て避けるように、州の消費者センターなどが注意喚起しています。*2 卵の殻には元々、中身を菌から守る層が備わっています。卵の表面を洗うと、この層が壊れ、殻の表面に付着している菌が中に入ってくる可能性があるためです。汚れは洗わず拭き取るようにして下さい。


卵については書きたいことがまだあるのですが、一度にいろいろ書きすぎてネタ切れしてしまうと良くないので、次の機会にとっておきます。


<以下参考にしました>

*1 Bundesinstitut für Risikobewertung

http://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zu_ostereiern-10808.html

*2 Verbraucherzentrale Bayern e.V.

https://www.verbraucherzentrale-bayern.de/was-tun-gegen-salmonellen-bei-eiern-



ワタナベブログ

ドイツで思う食や栄養に関するギモンやフシギについて、ドイツ栄養アドバイザー・ワタナベと一緒に考えましょう。

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